バス運転者不足深刻 東北運輸局路線事業者アンケート 減便・系統廃止が現実に

東北運輸局が管内6県の路線バス事業者25社に対して行った運転者不足に関するアンケート調査結果によると、24社が運転者不足と答え、「減便した」「系統廃止」など既に支障が出ている実態が浮かび、「休暇取得率の低下」「休日出勤の増加」といった労働条件の悪化を招いている。将来的にも運転者不足の加速や高齢化、路線廃止などを懸念し、大型2種免許取得への助成制度の拡充や取得条件の見直しなどの要望が寄せられた。

対象事業者の路線バス運転者は5854人、うち男性が5763人(98%)と圧倒的に多く、女性は91人しかいない。平均年齢は52歳で、50歳以上が60%を占め、60歳以上が22%と39歳以下の14%を上回っている。
運転者の不足数は1~10人13社、11~20人6社と約8割の事業者はこの範囲だったが、21~30人と31~40人と41~50人が各1社、51~60人が2社あった。

東北運輸局も2015年度から運輸支局長による高校訪問を続けており、16年10月までに3社が13人の高校新卒者を採用し、6社が2種免許取得費用の助成制度(全額5社、半額1社)を設けていた。しかし、大型2種免許の取得まで3年かかることから、6割の事業者は高校新卒者の募集活動を行っておらず、免許保有者や大学・専門学校卒業者の採用に重点を置いていた。
女性運転者については「今後採用していきたい」11社、「女性運転者の接遇の良さを感じている」と「積極的に採用している」が各3社と前向きな事業者が多いが、「募集しているが、応募がない」が2社あった。過去1年間に女性運転者を採用した事業者は10社(19人)と半分以下にとどまっている。
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女性運転者の採用にあたって障害(複数回答)になったことは「休憩室・更衣室・トイレの整備が必要となった」(7件)、「育児のため勤務時間が限られる」(6件)が多かった半面、「特に障害となったことはない」(6件)との回答もあった。
運転者不足による問題(同)では「休暇取得率の低下」(9件)、「休日出勤の増加」(8件)、「時間外勤務の増加」(5件)、「運行管理者と運転者兼務の負担増」(2件)が挙げられ、働き方改革が叫ばれる中で逆行するような労働条件の悪化が起きている。
さらには、「減便した」(5件)、「貸切バスの依頼を断ることがある」(5件)、「系統廃止」(2件)、など、地域公共交通の任務遂行にかかわる事態が生じている。

将来予想される問題(同)として「運転者の減少」(11件)、「高齢化による健康問題」(5件)、「路線廃止」(5件)、「運転者の高齢化」(3件)などの懸念が示された。
事業者からは
▽若い運転者が増えるような制度・施策を図ってほしい
▽大型2種免許取得の条件や費用軽減
▽免許取得費用を国の施策として助成してほしい
▽国やバス協会の補助金制度の拡充
―などの意見・要望が出された。

[寄稿者情報]
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