スキーバス事故 リスク極小化へ対策急ぐ

国土交通省の藤井直樹自動車局長は2016年2月10日記者会見し、軽井沢スキーバス事故について、「多くの有為の若者が一瞬にして命を奪われ、申し訳ない事故との思いがある。4年前に関越道・高速ツアーバス事故があり、抜本的な対策を取ってきたにもかかわらず、再度発生したことを重大に受け止めている。二度と繰り返してはならない」と心境を述べ、事故のリスクを極小化する対策を早急に実施すると言明した。

藤井自動車局長会見

藤井局長は「バス事業は何十人もの乗客を乗せ、万が一事故を起こして生命・身体に危害を与える責任は重大なので、道路運送法の中でも特に安全面を強化している」と再確認し、「外国人観光客が増え、外国人という新しい客層が貸切バスを利用している。対策を急ぐ」と強調した。
事故原因は警察で捜査中としながらも、これまでに

  1. 事故を起こしたイーエスピーは1月13日に行政処分したが、改善されていなかった
  2. 運転者は大型バスの経験が少なかった
  3. 下限割れ運賃で受注していた
  4. 運行記録計では状況把握が限られ、安全装置で事故を減らせる

などが判明していると説明した。
スキーバス事故 リスク極小化へ対策急ぐ 藤井自動車局長会見
[dfp]
軽井沢スキーバス事故対策検討委員会ではこれらの事実をもとに、「各項目を順番に議論し、年度末までに中間整理を行い、すぐに実施する。夏までに制度の見直しを含め、総合的な対策を取りまとめる」と述べ、「亡くなられた人々の死を無駄にしないように、官民挙げて取り組む」と表明した。
また、貸切バスの車両火災が多発しているのを受け、「12月30日付で火災事故防止の徹底の通達を出し、原因を究明している。現在は10年度までのデータしかなく、最近のデータを多客期前にまとめ、きちんと整備してもらう」とし、「電気系統など、整備管理の手が届かない個所から出火している可能性もある」と示唆した。
「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」に関連して、「19日に第3回会合を開き、労働時間と適正運賃収受の調査結果を報告する。安全にかかわる投資や過労運転防止、ドライバーの労働条件が改善できる運賃を収受するする必要がある」と指摘した。
適正運賃割れはスキーバスの下限運賃割れと同じとの認識を示し、「安全にはコストがかかり、ドライバーが集まらないと荷物が滞ると訴え、荷主に理解してもらう。適正運賃がいかに大事かはスキーバス事故が示している」と教訓化した。

[寄稿者情報]
株式会社交通毎日新聞社: 大正13年3月設立。交通毎日新聞の発行のほか自動車専門書・雑誌の発行、団体機関紙などの編集・発行を行う。交通毎日新聞の購読のお問い合わせはこちらから

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