サポートエクスプレス 貸切バスセミナー

バス会社向けにコンサルティング事業などを行っているサポートエクスプレス(埼玉県所沢市、飯島勲代表)は2016年3月14日、軽井沢スキーバス事故を受けて、東京都内で中小の貸切バス事業者を対象に「法令順守」をテーマにセミナーを開催し、51社80人が参加した。

サポートエクスプレス 貸切バスセミナー

中小事業者に法令実務伝授

セミナーに先立ち、飯島代表は「スキーバス事故は社会に衝撃を与え、バスに対する不信感が高まった。バス業界の発展を願ってこの会社を立ち上げた私も愕然(がくぜん)とした。度重なる規制強化でも事故はなくならない。バス事業のあり方が問われている」との問題意識を提示した。
軽井沢スキーバス事故をはじめ、各地で貸切バスの事故が起きているため、運輸支局が開催した緊急講習会で参加事業者から「安全管理が正しくできているのか、分からない」との声を聞いたと話し、「ゴールが見えないこと、どこに向かって頑張ればいいのか分からない。そこで、セミナーの開催を決意した」と趣旨を説明した。
セミナーでは、成定竜一高速バスマーケティング研究所代表が「貸切バス事業における重大事故と規制の変遷」と題して講演した。
成定代表はスキーバス事故でのマスコミ対応を紹介したあと、過去の貸切バスの重大事故である▽飛騨川事故(1968年8月)▽青木湖事故(1975年1月、自家用バス)▽犀川事故(1985年1月)▽吹田スキーバス事故(2007年2月)▽関越道・高速ツアーバス事故(2012年4月)と規制見直しの経過をたどった。
貸切バス事故と規制の関係について、「規制を強化したわけではなく、決まりごとの解釈を変えてきた。実効性を高めるように改正してきたが、厳しい規制を守る事業者もいれば、守らない事業者もいる」との現状認識を示した。
規制緩和(2000年2月)後、中小貸切バス事業者は価格での訴求しか競争力がなくなったが、新運賃・料金制度の適用で価格面の差異化は困難になったと指摘し、「事故を未然に防ぐ仕組みをつくり、利用者が納得できる具体的な根拠を示し、『安心』を買ってもらうことが競争力の要素になる」と力説した。
西武バスで実務に携わった経験を持つ飯島代表は「法令順守の実務」をテーマに、行政書士として体験した事例をもとに、「事業計画変更を届け出ようとしても、最初に提出した計画書の所在が分からない。台帳の作成とファイリングをお勧めする」とノウハウを伝えた。
次いで、根拠法令をひもときながら運行指示書、乗務記録、教育記録などの記入の仕方と自主点検、セーフティバス認定制度の意義と活用方法などを説明した。

[寄稿者情報]
株式会社交通毎日新聞社: 大正13年3月設立。交通毎日新聞の発行のほか自動車専門書・雑誌の発行、団体機関紙などの編集・発行を行う。交通毎日新聞の購読のお問い合わせはこちらから

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