高速ツアーバス過労運転防止検討委 業界・組合からヒアリング

第4回会合 運行管理者制度が根幹

国土交通省の「高速ツアーバス等の過労運転防止検討会」(座長=酒井一博労働科学研究所長)の第4回会合が6月30日開かれ、日本バス協会、高速ツアーバス連絡協議会、バス関係労働組合からヒアリングを行った。9月中旬に開く第5回以降の検討課題を整理し、昼行便や新高速乗合バスの交替運転者の配置基準などを取り上げる。

津川祥吾政務官は冒頭、「7月18日に高速ツアーバスの交替運転者の基準を制定し、20日からは全国で一斉点検を行っている。私もJR仙台駅西口周辺で点検したが、大きな混乱はなかった。事業者も積極的に対応し、利用者からは安全性を高めていると評価されている」と紹介し、「安全を大前提に、緊急対策以外の課題の議論をお願いしたい」と要請した。

事務局から緊急対策の実施状況について、
▽高速ツアーバス運行会社(貸切バス事業者)212社から自己チェックが報告された
▽高速ツアーバスを企画する旅行会社55社が安全運行協議会を設置し、運行会社208社が参加
▽7月20日の一斉点検で70台を点検し、15台に指導書を交付した
などと報告した。

ヒアリングでは、日バス協の小田征一高速バス委員長が「安全確保は運行管理者制度が根幹であり、夜行運行を行う高速乗合バスの営業所は交替制で24時間常駐している」と強調。夜間に運行する新高速乗合バスは「運行管理の24時間体制は必要不可欠」と訴え、「直ちに2人乗務ではない」と付け加えた。

関越道での事故に関しては「なぜルールが守られなかったのか」「どうしたら、ルールを守るようになるのか」「ルール自体に守れぬような瑕疵(かし)があったのか」の3つの視点から検証するよう求めた。

富田浩安貸切委員長は「高速乗合バスと観光バスとでは運行実態が異なり、高速ツアーバスの交替運転者の配置基準をそのまま適用することはできない」との見解を示し、「観光バスの実態の運行実態を調査し、9月中旬をめどに方向性を出したい」と言明した。

行き過ぎた規制緩和に言及し、「緩和後、収入が35%ダウンし、人件費をはじめ経費削減で維持しており、安全への投資が二の次になっている」と警鐘を鳴らし、「貸切バスの安全が確認できるまで新規参入をストップすべきだ。その間にバス業界が安全をチェックする」と主張し、安全装置の導入促進も提起した。

高速ツアーバス連絡協議会の村瀬茂高会長は国交省のホームページに掲載された運行会社約300社のうち、高速ツアーバス主体が7~8社、定期的(毎日・年間)に運行が40~50社で、ほとんどが貸切バス主体との調査結果を報告した。

高速ツアーバスは夜行便が約7割を占め、過労運転防止の追加的対策に関する会員アンケート(企画旅行会社38社、運行会社39社)では、デジタルタコグラフ19%、ドライブレコーダー17%、衝突被害軽減ブレーキ18%などハード面が上位に並び、「ハード面のサポートが重要」と位置づけた。

交通労連の鎌田佳伸軌道・バス部会事務局長は「運行が行われている時間帯は運行管理者が常駐していることが基本」と日バス協と共通の認識を示しながらも、新高速乗合バスの交替運転者の配置指針は「夜間運行においては距離を問わず、2人乗務が望ましい」と立場の違いもみせた。

清水昭男私鉄総連交通政策局長は「運行管理者の24時間常駐体制は義務化し、車両数に応じた現行規定を改正する必要がある」と指摘し、「利用者・発注者には法令順守・安全確保にはコストがかかることを周知してほしい」と要望した。

第4回以降の検討課題としては、
1高速ツアーバスと類似のスキーバス等の配置基準
2昼行便の配置基準・運転時間
3新高速乗合バスの同
4過労運転防止に関連する対策などに整理し、年度末までに結論をとりまとめることを確認した。

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