事故の特徴を踏まえ実効性ある対策 インタビュー 国土交通省自動車局安全政策課長 下野 元也氏(下)

〈営業用トラックへの運行記録計(デジタコ)の装着義務付け拡大の検討状況〉

運行記録計については過労運転の防止、安全運転のための運行管理といった側面で極めて重要な装置と認識していまして、現行では車両総重量8㌧以上、または最大積載量5㌧以上のトラックに装着を義務付けています。
この義務付け対象車両の拡大の検討を行うために、11年11月に学識経験者、業界団体、労働組合の代表などで構成する「トラックにおける運行記録計の装着義務付け対象拡大のための検討会」を設けて、具体的な検討を行ってきました。
昨年8月に検討会を開催した以降、現在は運行管理に活用できる機器の市場実態などについての調査を進めています。こうした調査結果を踏まえて検討会を再開し、今後の対応を議論したいと考えています。

〈最近の行政処分状況と今後の監査・処分方針〉

11年度の自動車運送事業者の行政処分は警告などの行政指導含めまして、3372件でした。内訳はバス745件(乗合バス75件、貸切バス670件)、ハイタクが857件、トラックが1779件でした。前年度が3256件だったのに比べ、若干増加しています。
そのうち、許可の取り消しが28件で、バスはありませんでしたけれども、ハイタクが2件、トラックが26件で、前年度は35件でした。
事業停止は101件あり、貸切バスが1件、ハイタクが3件、トラックが97件という状況でした。前年度は73件でしたから、悪質な違反が若干増えているという印象です。
自動車運送事業者に対する監査のあり方に関する検討会において、悪質な事業者への重点的な監査の実施、悪質・重大な法令違反に対する処分の厳格化といった監査・処分の見直しを検討し、3月末にとりまとめを行いました。
既に同検討会の中間とりまとめを踏まえ、監査方針と行政処分基準の改正案のパブリックコメント(3月6日〜4月4日)を行い、関係通達を4月中に改正し、今年秋からの施行を予定しています。
主な改正点としては、バスの発着場での街頭において監査を実施して、交替運転者を配置していない、あるいは運転者が過労状態にあるといった安全な運行を継続できない恐れがある場合には是正措置を講ずるように指導し、従わない場合は輸送の安全確保命令を発動することにしています。
また、運行管理者を選任していない、あるいは点呼をまったく実施していないといった重大な法令違反を犯している事業者に対しては30日の事業停止とする行政処分の厳格化を行う方向で見直しています。
一方で、記載不備などの軽微な違反については警告にとどめる対象範囲を拡大して、悪質・重大な違反と軽微な違反にメリハリをつけた監査・処分を実施しようと考えています。
さらに、13年度は地方運輸局の監査要員を22人増員し、本省に安全基準や監査の企画立案の強化のため、安全政策課に「安全監理室」の設置が認められています。こうした組織・要員を活用しながら、監査体制を充実・強化していくことにしています。

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