コラム/交通基本法成立急げ

この秋、日本バス協会主催の「バスフェスタ2011 in TOKYO」(9月11日)、東京都交通局の「バスの日イベント2011」(同17日)、東急バスの「バスファン感謝祭」(10月29日)を回った。3会場とも晴天に恵まれ、大にぎわいだった。

 特別な企画はなくても、バスマニアは朝早くからオリジナルグッズを求めて列をなし、親子連れは子供を運転席に乗せ、記念写真を撮る。それで子供たちは大喜びである。こういう光景を見ると、バスも捨てたものではないと思う。確かに、人口が多い都市圏ではバスが活躍する地域は多いし、収支がつぐなう経営も可能だ。
 しかし、地方部はそうはいかない。乗合バスの収支率は東北79%、北関東でも88%、山陰69%、四国70%、南九州78%と地方のバス経営は極限に近い状態といっても過言ではない。
 よく言われるように、地方ほど少子高齢化が進み、乗客は減ることはあっても増えることはない。その一方では地域の足が途絶え、“買い物難民”と称される住民も少なくなく、公共交通機関は必要性と採算性の狭間でジレンマに陥っている。
 交通基本法は先の通常国会で継続審議とされ、国土交通省は「臨時国会でぜひ成立させていただきたい」(宿利事務次官)と今国会での成立を関係方面に強く働きかけている。交通基本法には基本理念が書かれ、関係者の役割分担を規定している。基本法ができたからすぐ何かが変わるというものではないが、公共交通機関の使命と維持に一本の背骨が通り、行政も住民も見放さないという精神的なよりどころができる。一日も早い成立を望みたい。(高沢)

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