運賃料金制度引き続き検討「新高速」13年度末までに移行 バスのあり方報告書

国土交通省の「バス事業のあり方検討会」(座長=竹内健蔵東京女子大教授)は4月3日、報告書を公表した。

昨年6月14日に公表した中間報告書で高速ツアーバスと高速乗合バス(高速バス)を一本化した「新高速バス事業」の新設で合意したあと、貸切バスの事業規制の見直しを中心に議論したが、合意が得られず、「貸切バス運賃・料金制度等ワーキンググループ」で引き続き検討することにした。
 報告書は①本検討会の開催の経緯②高速バスの健全な発展に向けて③貸切バスの健全な発展に向けて④今後の課題で構成され、規制見直しの工程表を添付した。
後半の審議では高速ツアーバスから新高速バスへの移行の担保が論点となり、バス業界側は「移行期間が終了しても乗合バス許可を取得しない場合は法令違反で取り締まるべきだ」と主張した。
報告書は「国交省は高速ツアーバスや運行を受託している貸切バス事業者に乗合バス業態への移行を求めるべきである」との表現にとどめた。関係省令・告示・通達の改正は4~9月にかけて公布・施行し、12~13年度を集中移行期間とする行政指導と環境整備に重点を置いた。
新高速バスの管理の受委託は、①車両数基準(年間通算)で3分の1以上を自社で運行、委託は乗合委託+貸切委託で3分の2以下②系統長基準で3分の1以上を自社で運行、委託は乗合委託のみ3分の2以下とし、いずれかを選択できるようにする。
環境整備として「高速バス停留所調整協議会」(仮称)の開催や高速バス停調整ガイドラインの策定などを盛り込んだ。
貸切バスの事業規制の見直しでは、バス業界側は▽新規参入の際の最低車両台数の引き上げ▽車齢規制の復活▽緊急調整措置の導入などの規制強化を要望した。しかし、報告書は貸切バスの法令順守を確保する規制と事後チェックの強化を通じた事業適正化を提案した。
具体的には、事業許可時の法令試験の受験者を代表権を持つ役員に限定し、再試験に不合格だったら申請を却下する。運行管理者や整備管理者の要件を厳格化し、デジタル式運行記録計の装着義務化を検討する。
さらに、貸切バス事業者から発注者に対する運送引受書の作成・交付・保存などを義務付ける。
事後チェックの強化は監査要員の増員を図るとともに、貸切バスに対する重点監査の回数を増やし、悪質で重大な違反については刑事告発を行うと明記。タクシーやトラックのように、「旅客自動車運送事業適正化事業実施機関」の創設の検討を打ち出した。
運賃・料金規制の見直しは更なる客観的・定量的な検証が必要であり、多種多様な意見が出て方向性が定まらないとして、「貸切バス運賃・料金制度等WG」を設置し、営業区域規制を含め12年度中に新たな制度をとりまとめることにした。
併せて、「バス事業のあり方検討会フォローアップ会議」を12~13年度に4回開催する。

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