電気バス 特性把握して計画策定

災害時には電力の供給源に

国土交通省では、都市の低炭素化や集約型都市構造の実現などに向けた取り組みと超小型モビリティなどの環境対応車普及の取り組みを進め、環境対応車を活用した低炭素まちづくりの実現を目指している。このほど、実証実験の成果を踏まえ、電気バスの導入、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)向けの充電施設の設置に関するガイドラインを作成した。同省ではガイドラインを活用し、環境対応車の導入や充電施設整備の支援など、環境対応車を活用した低炭素まちづくりの実現を総合的に支援していく方針を示している。

電気バス導入ガイドラインでは、電気バスのメリットや航続距離などの特性把握や運行計画を踏まえた導入計画の策定に向けた考え方を整理した。
電気バスの特徴として、走行時に窒素酸化物(NOX)や粒子状物質(PM)といった大気汚染物質、二酸化炭素(CO2)を排出しないゼロエミッションとともに、車両構造に起因する低騒音・低振動、静音性を生かした乗り心地がある。

電気バス

また、災害時の電力供給源としての可能性も示唆。都の実験で使用した車両(蓄電池容量23・8<CODE NUM=0113>時)の場合、一般家庭の2日半程度の電力消費量を賄えることが分かっており、災害対策本部の照明や情報通信機器への活用を例示した。

一般的な路線バスの平均路線延長が8㎞程度なのに対し、電気バスの走行可能距離の15~20㎞。そのため、起終点で充電を行えば、多くの路線に適用することができる。途中のバス停で充電ができれば航続距離を伸ばし、長距離路線にも投入の可能性がある。

導入路線については、走行可能距離の特性を踏まえ、起終点での充電、バス停での充電などを考慮して選定することとした。特にゼロエミッションなど電気バスの特徴を生かせる地域として、沿道が市街地で住環境がある、歴史的な町並みがある、自然環境がある、低炭素まちづくりを目指すなどの地域への導入を想定。併せて導入車両について、路線の交通状況や交通需要を考慮し、プラグイン方式や非接触方式などの充電の方法を考慮する必要性に言及した。

充電施設の整備計画に関して、起終点での充電設備の配備については駅前広場、車庫や転回場を想定。駅前広場では歩行者や自転車の通行に必要な有効幅員を確保し、通行の支障にならないように設置する必要があるため、充電施設の設置個所は道路管理者などと検討することを重視。車庫では、軽油を貯蔵・給油する設備があることが多く、消防法上の危険物取扱所の様々な規制に留意する必要があるとした。

また、非接触方式の充電時の留意点として、車両側のコイルと路上側のコイルの位置が正しく重なる“正着性”に言及。
安全で確実な正着をするため、充電用パースの間隔を拡大したり切り込み角度を緩和したりして配置を工夫するほか、路面上の突起などで停止位置を乗務員に知らせる工夫、一般車やタクシーの他交通ドライバーへの注意喚起などの車両動線上の外的要因の排除に関して検討することが望ましいとした。

充電施設 走行距離を考え配置 4つの充電形態 案内サイン、見やすく

充電施設の設置に関するガイドラインでは、充電施設の配置、操作性、案内・情報提供に関する考え方を整理した。
電気バスを含むEV、PHVの普及には充電施設が欠かせない。現時点で最長の1充電当たり走行可能距離は200㎞。ただ、道路勾配や冷暖房、道路渋滞の影響で距離は縮む。そのため、充電施設の配置は走行可能距離を考慮して検討する必要がある。

充電形態には「プライベート充電」として自宅や事務所の駐車場などで行う基礎充電と、「パブリック充電」として目的地でのついで充電、移動経路上での継ぎ足し充電、渋滞などで電欠の恐れが生じた際に緊急的に行う駆け込み充電の4形態に分類することができる。

充電施設

そのうち、パブリック充電に関しては、基礎的なプライベート充電で満充電を行ったEV・PHVの走行可能距離を前提に配置計画を立てることが適当とした。その上で、目的地でのついで充電の設置場所として、大規模商業施設、観光地、病院や飲食店を想定。遠方からの来訪者が多く、滞在時間が長い施設は普通充電器を基本とし、幹線道路沿いなどにあって継ぎ足し充電のニーズがある施設では急速充電器も設置することが適当とした。

継ぎ足し充電の設置場所としてはサービスエリア・パーキングエリアの高速道路施設、道の駅、飲食店、コンビニエンスストア、ガソリンスタンドなどを想定。メーンになるのは急速充電器だ。駆け込み充電は24時間利用できる点からコンビニへの設置のほか、ディーラー、公共施設をイメージとして示した。

充電器設置に関して、操作性については充電ケーブルの重量やプラグの差しにくさが課題になっているため、取り回しやすいカールケーブルのなどの実用化により対応することが求められる。また、充電施設に必要な施設としては、急速充電でも空の状態から80%まで充電するのに30分程度かかることなどから、トイレや店舗、カフェといった待ち時間を効率的に使える施設を周辺に配置することが望ましいとした。

充電施設をユーザーに示す案内サインの設置に当たっては、充電施設までの距離を示した予告表示、設置施設の入り口表示、設置場所での表示と、段階的に誘導することが求められる。現在は充電器設置場所だけの表示が多いが、立体駐車場や地下駐車場、大規模な自走式駐車場では、入り口や分岐点などに視認性の高い案内サインを、ドライバーの目につきやすい位置や高さに配慮して設置していくべきとした。

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