川崎市営トロリーバス(神奈川県)の『104号』

シリーズ 全国 保存モノコックバスめぐり(8)

全国に存在する『保存バス』を巡る不定期連載コーナーです

2017年8月18日アップの「伊予鉄南予バス(愛媛県)の『日野K-RL321 1980年式』(←その記事はココをクリック)」以来約2年ぶりの拙稿になる「保存モノコックバスめぐり」は、神奈川県川崎市高津区に保存されている『川崎市営トロリーバス104号』。無軌条電車のトロリーバスとはいえ、タイヤを履いたモノコックバス車体の保存車なので、ここで紹介させていただいた。

車体は前面が西を向いて置かれている。屋根も備えているため、保存状態は野ざらしよりは良さそうだ。

川崎市営のトロリーバスは1951年3月1日に開業し、その後、市電とともに工業地帯への通勤客の足として活躍したが、ディーゼルエンジンバスと比較されるようになると機動性で不利になり、1967年4月30日をもって廃止された。

周囲はフェンスに囲われているため立ち入ることはできない。当然車内にも入れない。

この「104号」は、他の100形とは違う出自があり、1950年に富士産業・東芝・日野自動車が新しい大都市用のトロリーバスとして試作し、名古屋市交通局で試験運行を行った後に車体を一部改良の上、川崎市交通局に1954年に納入された車輛。
では、この104号保存車の外観を反時計回りに眺めていこう。

立ち入りはできないが、前側から写真を撮ることはできる。タイヤが土に埋まっているのは、ドアとの段差を無くすためか。

前面前にある小屋は簡易トイレで、そこから推測すると、元々は地域の集会所として設置されたらしい。

屋根上を見て解る通り、屋根上にあったであろうトロリーポールは撤去されている。

上ラインの下の円形のパーツはレトリーバー(トロリーポールに付属したロープを巻き取る装置)が取り付けられていた痕と思われる。

リアのウインカーが矢印型なのが面白い。

保存されているのは川崎市高津区の二子塚公園で、位置的には東急田園都市線高津駅南南東350mほどの場所になる。
駅から歩ける距離なので、近くに来て、時間が空いた場合などに、訪れてみてはいかがだろうか。

左(南)側面の窓には川崎市営トロリーバスの歴史を紹介する写真が貼られている。そして後部(写真右)には説明板もあり、このトロリーバスが集会所だけでなく、保存車であることを知らせている。

窓に貼られた写真で、折り返し用ループ線の形態が解る1枚。

車体左側面後部付近(上々写真では右端)に立てられた説明板。車体には出自を示す「104」のブロック文字が取り付けられている。


参考文献:編集長敬白「川崎市営トロリーバスの保存車。」宮武浩二 著。http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2013/07/2_4.html

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化があったり、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。

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