日本バス協会(髙橋幹会長)は15日、東京・大手町の経団連会館で新春賀詞交歓会を開いた。太田昭宏国土交通相が祝辞を述べ、自民党の竹下亘自民党組織本部長、同党バス議員連盟の逢沢一郎会長、井上義久公明党幹事長、馬淵澄夫民主党幹事長代理ら与野党幹部らが出席し、交通基本法制定に前向きの姿勢を示した。
髙橋会長は主催者挨拶で「昨年は高速ツアーバスの大事故が発生した。バス事業に携わる者として安全第一を肝に銘じ、この教訓を安全運行に生かす」と表明し、「事故の背景には規制緩和で生じた問題が含まれている。悪貨が良貨を駆逐する事態は改めるべきだ」と主張した。
交通基本法に言及し、「衆院解散で廃案になった。地域の公共交通は国や自治体の支援が不可欠。新しい枠組みを作る必要があり、早期成立に取り組む」との立場をあらためて確認した。
太田国交相は「バスは東日本大震災の被災地で通勤・通学に安心を与えている。しっかりバックアップしていく。予算編成では必ず前進できるように、支援体制を整えることを約束する」とエールを送り、「ツアーバスの大変な事故が起きた。安全・安心、信頼を確保するため、変えるべきは変えていく」と言明した。
井上公明党幹事長は「バスは都市部と地方部で様々な課題を抱えているが、庶民の足が守れるように交通基本法に明確に位置づける。結論を出し、推進したい」。
馬淵民主党幹事長代理は「公共交通機関を維持するために交通基本法の制定に取り組んだが、解散で廃案になってしまった。基本法の成立に頑張ってほしい。民主党も建設的な意見を発信していく」。
逢沢自民党バス議連会長は「交通基本法は必要だとみんな思っているが、後回しにされ、反省の気持ちがある。新政権と国交省に整理してもらい、(政策課題の)一丁目一番地として成立を期したい」と述べるなど、与野党とも交通基本法の制定に意欲を示した。