国土交通省 貸切バスの安全規制強化の緊急対策を公表
国土交通省は6月11日、高速ツアーバスなど貸切バスの安全規制強化の緊急対策を公表した。6日開いた「公共交通の安全対策強化検討チーム」での議論をとりまとめ、11日の政務3役会議で決定した。緊急対策は10項目からなり、夏の旅行シーズンの安全確保を狙いに、高速ツアーバスを運行する貸切バスと旅行業者に対する規制強化は6月中に実施する。
4月29日に関越自動車道で発生した高速ツアーバスの重大事故を受けて実施している地方運輸局と労働局との合同監査(貸切バス約200社、旅行業者約60社)は6月中に完了させ、監査情報などを盛り込んだ「高速ツアーバス運行事業者リスト」(仮称)を公表する。
乗務員の運転時間や乗務時間、交代運転者の配置基準、点呼のあり方などについて議論している専門家検討会で6月中に緊急対策をまとめ、早急に実施に移す。
旅行業者と貸切バス事業者間の取引内容の明確化と公正取引を確保する観点から、両者に運送に関する文書の作成と保存を義務づけ、旅行業者の禁止行為に「安全の確保が不十分な運送サービスを提供する行為」を追加する。
安全情報を利用者に提供する「高速バス表示ガイドライン」(仮称)と、「輸送の安全を確保するための貸切バス選定ガイドライン」(同)を6月中に作成し、旅行業者と貸切バス事業者、自治体や学校などの発注者に周知する。
高速ツアーバスを企画する旅行業者と運行を依頼する貸切バス事業者で構成する「安全運行協議会」(仮称)の定期開催を指導し、旅行業者には「高速ツアーバス表示ガイドライン」の内容を広告に表示することを義務づける。
公共交通の安全対策強化検討チームは今後、▽運行管理者制度の基準強化▽新高速バス制度への早期の移行促進▽参入規制と運賃・料金制度のあり方▽監査体制の強化▽業界と事業者の自主的な安全確保の取り組みなどを検討する。