大阪バス協会 新会長に東・南海バス社長
大阪バス協会は6月11日、大阪市内のホテルで第66回通常総会を開催。事業や予決算を審議して原案通り承認した。この中で昨年総会で公益社団法人を目指すことを承認していたが、大阪府から運輸事業振興助成金が交付されないことから事業予算の中での公益事業費の拠出割合が50%を下回り公益性が確保できないため一般社団法人への移行を目指すことに変更した。任期満了に伴う役員改選では、小津正弘会長(阪急バス)が退任し、東真也理事(南海バス)を新会長に選任した。
運輸事業振興助成金は、当時の橋下徹大阪府知事の考えで大阪府トラック協会とともに交付が見送られている。大バス協は大ト協と共同で昨年「早急かつ確実な交付」を大阪府に要望し、単独でも今年「満額確実交付」要請を行っている。だが大阪府は昨年度のゼロ査定に続いて今年度も予算計上していない。このため大バス協は日本バス協会への出えん金も拠出できない状態となった。
さらに大阪市長となった橋下市長の指示で、大阪市交通局の民営化を含む事業効率の改善を進めていることから大バス協から同交通局が脱退。会費収入が大幅に減額となった。
こうしたことから、昨年8月に公益社団への移行を申請したものの公益事業費率が低下したため10月、今年3月、5月の諮問で「継続審議」となり認可が先送りされている。大バス協は「無理に公益社団に移行しても公益性に危うさが認められる恐れがある」として、この総会で一般社団への移行に修正した。
ただ運輸事業振興助成金については今年度も、社会的なニーズに答えるため輸送の安全運行対策、環境対策、輸送サービスなどの事業の必要性を訴え、昨年法制化された補助金拠出の趣旨を踏まえて満額交付を求めていく方針だ。
任期満了に伴う役員改選では、東新会長が就任した。新旧会長あいさつで小津前会長は高速ツアーバスの事故を例に挙げながら「バスが生き残るには安全しかないと思わされた事故だった」と述べて、今後も一理事の立場で事業用自動車総合安全プラン2009の目標達成に努めることを表明。
東新会長も事故を例に「バスに対する利用者の厳しい目がある。安全対策が求められている」として安全確保を最優先することを会員に呼び掛けた。また古角利裕事務局長も常務理事に選任した。