武藤自動車局長 残り9社近日提出 貸切受託運行は20社

国土交通省の武藤浩自動車局長は22日記者会見し、高速乗合バスと高速ツアーバスを一本化した新高速乗合バスへの移行ついて、17日現在で、新高速バスへの移行を希望している57社のうち48社が乗合バスの認可申請を提出していると進捗状況を明らかにした。「7月末までに一本化し、移行を完了させる」と再確認し、「残りの事業者も地方運輸局でサポートしていて、近日中に申請が出される」との見通しを示した。
新高速バスの運行受託を希望する貸切バス事業者45社のうち20社から受託認可申請が提出されていることも明らかにした。
武藤局長は「(新高速バスへの移行で)一番大事なのはバス停の確保。21日に新宿駅周辺高速バス停留所調整協議会が開催され、難航していたが、具体的な進展が見られている。全国で調整を継続中の地域はバックアップに万全を期していく」と強調し、「調整がついた地域は事業者間で発着枠や時間帯を調整してほしい」と望んだ。
旧「バス事業のあり方検討会」報告書(12年4月3日公表)は高速乗合バスと高速ツアーバスの一本化を打ち出し、2年間で移行するとしていた。しかし、その直後の昨年4月29日に関越道で高速ツアーバス事故が発生し、国交省は今年7月末までに移行すると前倒しした。
昨年5月当時、高速ツアーバスの企画商品を販売していた旅行業者は約60社、同バスを運行していた貸切バス事業者は約180社だった。企画旅行会社はほぼ新高速バス事業者に移行する見込みだが、運行する貸切バス事業者は大幅に減少することになりそうだ。
武藤局長はまた、タクシー事業法の議員立法にふれ、「4月26日に自民、公明、民主の3党で法案の概要を合意し、引き続き議論が深められる。適切に対応する。衆院法制局で法案を作成することになり、協力していく」との姿勢を維持し、独占禁止法の除外規定も「衆院法制局、議員、公正取引委員会で協議される」と述べるにとどめた。

トラックの契約書面化「実運送事業者を守る」

武藤局長は会見で、トラック運送取引契約の書面取引に関して「実運送事業者の現場では拘束時間が長く、横持ちや長時間待機、ショーケースへの陳列もやらされている。書面化で実運送事業者の権利を守る」と強調した。
書面化で「燃料サーチャージの導入が容易になり、消費税の転嫁もしやすくなる」と利点を挙げ、「煩雑すぎると定着しない。簡便なフォーマットを作る。荷主団体や経団連にお願い、末端の荷主にも理解が得られるように工夫したい」と意欲を示した。

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