国土交通省は2015年12月17日、貸切バス運賃・料金制度ワーキンググループ(座長=加藤博和名古屋大大学院准教授)の第3回フォローアップ会合を開いた。
課題整理と議論を今後も調査継続
加藤座長は冒頭、「新制度に移行する中でスクールバス(契約輸送)や(旅行会社からの)あっ旋手数料の問題が出てきた。課題を整理し、議論したい」と挨拶した。
貸切バスの運賃・料金は昨年4月から、安全コストなどを反映させた時間・キロ併用方式の新制度に移行し、国交省と日本バス協会は移行後の輸送実績と新運賃・料金の収受状況などを調査している。
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第1回は2015年4月下旬~5月下旬、第2回は8月下旬~9月中旬に実施し、今後も3カ月に1回程度の頻度で調査を継続し、次回は12月中に行う。
これまでの調査結果を踏まえ、国交省は
- 新制度は増収と安全対策に一定程度貢献している一方、運転者の給与改善はいま一歩
- 発注者・利用者の理解はある程度進んでいるが、価格などに一部不満の声がある
- 新たな運行ルートの開拓などの取り組みが始まりつつある
- インバウンド観光客を対象とする貸切バスには新制度の順守に一部問題が生じている
- バス車両、運転者と駐車場の不足が続いている
と報告した。
会合ではまた、2014年度の貸切バス事業収入、総乗務時間、安全コストなどを把握する第2回「貸切バスの要素別原価調査」の調査項目を了承した。