国土交通省は2011から14年に発生したバス火災事故58件の出火原因を分析した結果、「点検整備不十分」と「整備作業ミス」が約6割を占めていたことから、2016年2月19日付で日本バス協会と地方運輸局に保守管理の徹底を通達した。
自動車事故報告規則(省令)によるバス火災事故は
- 2011年
- 13件
- 2012年
- 18件
- 2013年
- 8件
- 2014年
- 19件
とかなりの頻度で発生しており、2007から10年の61件とほぼ同数だった。
出火原因(一次的原因)は点検整備不十分が25件(43%)と最多で、整備作業ミスが11件(20%)と続いた。
出火に至った原因は
- 電気配線のショート12件
- 燃料漏れ10件
- ブレーキの引きずり7件
- オイル漏れ6件
- 電装品の不具合5件
などの順で、不明も16件あった。電気配線のショートが判明した原因は点検整備不十分が4件、整備作業ミスが2件などで、5件が運転者席等から出火していた。
業態別では貸切バスが67%と3分の2を占め、乗合バスの19件に対して2.4倍も多発していた。貸切バスの火災事故は高速道路の17%よりも、その他の道路のほうが19%と件数が多く、点検整備不十分が17件と最多だった。
車齢別では、17年8件、19年6件、21年5件と高年式車が比較的多かったが、電気配線のショートと燃料漏れは車齢による偏りは見られなかった。
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こうした分析結果を踏まえ、日バス協に定期交換部品の確実な交換、部品の確実な取り付け、適切・確実な点検整備の実施を要請した。
また、昨年末から今月8日までに6件のバス火災事故が発生し、このうち2件は後輪のスプリング式補助ブレーキが作動したまま走行を続け、ブレーキが過熱して火災に至ったと推測された。
このため、日バス協に対し補助ブレーキ装着車両を把握して運転者に指導するとともに、補助ブレーキ作動確認と作動警報装置の点検、エア漏れの点検などを指示した。
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