ウィラー・トラベルの村瀬社長は会見で、「ウィラー・エクスプレスは高速バス事業者になり、ウィラー・トラベルは多くの運輸事業者と協働し、地方バスとも連携する」との方向性を明確にした。
高速バス運行車両は210台が自社保有、100台程度が委託とし、「(新高速バス事業者は)バス停を設置でき、窓口予約も可能になる。デメリットはあまりない」との見解を示した。
安全運行を確保するため、大阪・北区の自社ビルに研修所を設置し、「委託先の貸切バス事業者を含めた従業員の安全・サービスの均質化を図り、10月から研修を開始する」と安全第一を訴えた。
高速ツアーバスは近年、急成長を遂げ、高速路線バスとの競争が激化しているが、根拠法が高速ツアーバスは旅行業法、高速路線バスは道路運送法と異なり、競争条件の不均衡や歩道での乗降などの安全問題が顕在化している。
村瀬社長が高速ツアーバス連絡協議会会長の立場で参画した国交省の「バス事業のあり方検討会」は6月14日に公表した中間報告で、両者の長所をミックスした形の「新高速バス」を打ち出した。新たな規制は「年内のできるだけ早い時期の実現を図る」と指摘し、高速ツアーバス事業者に同事業の許可取得を求めると提言している。