高速バス・マネジメント・フォーラム2012が開催
高速バスマーケティング研究所(成定竜一代表)は、東京・新宿のエルタワーで「高速バス・マネジメント・フォーラム2012」を開催し、新高速乗合バスのスキームが7月30日に発表されたこともあって関心が高く、全国から高速ツアーバス関係者を含め140人が参加した。
フォーラムでは、国土交通省旅客課の小熊弘明バス産業活性化対策室長が「関越自動車道・高速ツアーバス事故を受けた安全対策と新高速乗合バス制度」と題して講演した。
小熊室長は4月3日に公表されたバス事業のあり方検討会の最終報告書にふれたあと、高速ツアーバス事故後に講じた▽緊急重点監査▽乗務員の運転時間の基準・指針の見直し▽旅行業者と貸切バス事業者間の書面取引の義務化▽高速バス表示ガイドラインの策定などを説明した。
新高速乗合バスにつては「高速バスと高速ツアーバスを一本化し、来年7月末までに高速ツアーバスから新高速乗合バスに移行してもらう」と移行期限を明示し、「バス停は自社で確保することが原則だが、行政も支援する」と述べた。
成定代表は高速バスの歴史を「第1フェーズ(1964~83年頃)=安定した販売がなく、営業的には冬の時代)」、「第2フェーズ(84~2004年頃)=高速道路ネットワークが完成し、共同運行制度の定着により地方の老舗事業者が参入」、「第3フェーズ(05年頃~)=バスを選んで乗る時代」と区分し、高速バスの今後について「本丸は地方の多頻度昼行路線」と位置付けた。
新高速乗合バスは弾力的な価格設定が可能になるため、レベニューマネジメント(ダイナミックプイシング)の重要性を強調し、「基幹(座席管理)システムがキーになる」と呼び掛けた。