国内旅客輸送はバスが11ヶ月、タクシーが2ヶ月続けて増加し、鉄道旅客も堅調な動きが続いている。
国土交通省が発表した「国土交通月例経済」によると、国内旅客輸送はバス(東京、12年10月実績値)が11ヶ月、タクシー(11月速報値)が2ヶ月続けて増加し、鉄道旅客(10月速報値)も堅調な動きが続いている。
乗合バス(東京11社の均一運賃区間)の10月の輸送人員は4,622万1千人(前年同月比5.0%増)と11ヶ月連続で増加し、11年12月にプラスに転じてからは回復傾向が続き、伸び率は10月より3.7ポイントも拡大した。
タクシー(東京)の11月の輸送人員は2,689万9千人(1.6%増)と2ヶ月続けて前年実績を上回り、上げ幅は10月を1.3ポイント上回り、回復基調に乗り始めた。タクシーもバスと同様に11年12月から需要が持ち直し、6~9月は失速したが、10~11月はプラスを維持している。
実車率は1.4ポイント増の42.6%に1年7ヶ月連続で上昇し、11年6月からは40%台をキープしている。
JR旅客6社の10月の輸送人員は1.3%増(定期1.1%増、定期外1.5%増、新幹線3.1%増)と順調に増え、9ヶ月続伸した。新幹線旅客は1年5ヶ月連続で前年実績を超え、伸び率は9月に比べ2.4ポイント上がった。
民鉄は3.4%増(定期3.3%増、定期外3.6%増)と9ヶ月続けて前年実績を上回り、9~10月は3%台で増加している。
航空旅客(12月速報値)は、国内線が5.9%増と11ヶ月連続で増加し、好調に推移している。国際線(同)は3.1%増と2ヶ月続けて前年を上回り、尖閣諸島問題が尾を引く中国線以外はアジアを中心に好調に増えている。
旅行取扱額(58社、11月実績値)は国内旅行取扱高が2.7%増と3ヶ月ぶりにプラスに好転したが、海外旅行は2.5%減と3ヶ月連続で減少し、領土問題の影響がまだ残っているとみられる。
高速道路(11月実績)の通行台数は1.1%増と5ヶ月連続で増加し、休日上限千円と無料化社会実験の廃止・凍結の影響が一巡した7月以降は上向いている。
フェリー(11航路、12月実績)の旅客数は1.2%減と5ヶ月続けて落ち込んだものの、逆に自動車航走台数は1.9%増と4ヶ月続けて増加した。