事故41.9%増 対策要望
東京バス協会が同協会の路線・経営委員会のメンバー13事業者の協力を得て、自転車関与のバス事故発生状況を調査した結果、昨年1~10月は88件となり、前年同期の62件に比べ26件(41.9%)も増加していた。88件のうち、重傷事故は9件と前年同期の4件の2.3倍にのぼっている。
2010年の自転車関与のバス事故発生件数は76件(うち重傷事故5件)で、すでに昨年10月時点で前年を12件も上回った。
自転車の急な飛び出しや信号無視などによる接触・衝突事故のほか、衝突を避けるための急ブレーキで高齢者がバス車内で転倒して負傷する事故が後を絶たず、バス事業者は対策に頭を痛めていた。
加えて、東日本大震災を契機に都市部を中心に通勤・通学などに自転車利用が増え、多発傾向に拍車がかかっていると懸念を強めている。
こうした折、警察庁が昨年10月25日付で全国都道府県警察に「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について」を発出し、自転車は「車両」という考え方を徹底する方針を示した。
自転車が車道を走るようになれば自転車関与のバス事故がさらに多発するのは日を見るより明らかなため、昨年末、小田征一会長、村上伸夫理事長らが東京都青少年・治安対策本部、警視庁交通部、都議会民主党・自民党・公明党を訪ね、「自転車対策に関する要望書」を提出した。
要望書は
- 登録ナンバー制の導入などの検討と「自転車条例」の早期制定
- 悪質・危険な自転車利用者に対する取り締まり強化
- 自動車と自転車の走行空間の分離促進などを提案している。