貨物 特積トラックのみ増
国土交通省が発表した「国土交通月例経済」(2015年10~12月)によると、国内旅客はバス(10月実績)、鉄道(同)、航空旅客(12月速報値)は堅調に実績を伸ばし、タクシー(11月実績)だけが前年割れだった。国内貨物は特別積合せトラック(11月実績)だけが増加し、一般トラック(同)、JR貨物(12月速報値)など他の輸送機関はマイナスと弱含んだ。
旅客輸送
乗合バス(東京11社の均一運賃区間、10月実績)の輸送人員は4696万9千人(前年同月比0.4%増)と4カ月連続で増加したが、伸び率は10月よりも4ポイント低下した。
タクシー(東京、11月実績)は2578万1千人(0.8%減)と2カ月続けて減少し、1月以降は増減を繰り返している。実車率は1.4ポイント増の45.6%と9カ月連続で上昇し、7月からは45%を超えている。
JR旅客6社の輸送人員(10月実績)は2.3%増(定期0.9%増、定期外4.6%増、新幹線7.2%増)と7カ月連続で増え、シルバーウイークがあった9月に比べ伸び率は4.8ポイント低かったが、新幹線は3月14日の北陸新幹線の開業効果で高い伸びが続いている。民鉄(同)も3.1%増(定期2.1%増、定期外4.3%増)と7カ月連続で前年を上回った。
国内航空旅客(12月速報値)は1.2%増と11月のマイナスから持ち直した。国際線(同)は6.5%増と2年7カ月連続で増加し、好調な伸びを維持している。
旅行取扱額(主要49社、11月実績)は、国内旅行は5.2%増と1年3カ月連続で上向き、団塊世代の遠出や円安で国内旅行は活況を呈している。その一方、海外旅行は6.0%減と1年2カ月連続で落ち込み、日本人の海外旅行意欲は減退している。
高速道路(ネクスコ3社、11月実績)の通行台数は西日本の悪天候も合って、0.3%減と8カ月ぶりにマイナスに転じた。
フェリー(11航路、12月実績)の旅客数は4.3%増と9カ月連続で順調に増加した半面、自動車航送台数は0.4%減と3カ月続けてマイナスとなった。
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貨物輸送
特別積合せトラック(24社、11月実績)の輸送量は538万9千㌧(前年同月比2.7%増)と3カ月ぶりにプラスに好転したが、一般トラック(回答812社、同)は1.8%減と3カ月連続で後退し、明暗を分けた。
宅配貨物の取扱個数(14社、同)は通販市場の拡大を背景に3億2087万3千個(5.3%増)と8カ月連続で増加し、伸び率は10月よりも1.6ポイント広がった。
JR貨物(12月速報値)は1.3%減と2カ月続けて低迷し、うちコンテナは4.1%増とプラスに転換したものの、車扱は11.6%減と2カ月続けて大幅減となり、全体を下押しした。
内航海運(11月速報値)のうち、貨物船は2.7%減と再びマイナスに戻り、油送船は4.2%増と4カ月連続で回復した。外航海運(12月速報値、金額ベース)は、輸出は7.4%減と4カ月連続で減り、輸入は23.0%減と原油安などにより1年2カ月連続で大幅に低落した。
国内航空貨物(12月速報値)は3.2%減、国際航空貨物(同)も2.6%減と、ともに3カ月連続で失速した。
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