来年4月めど新高速バスへ ウィラーグループ 旅客数5年で倍増目指す

 高速ツアーバスを企画・運行するウィラーグループは東京と大阪で事業説明会を開き、村瀬茂高社長は国土交通省が年内に創設する「新高速バス事業」の許可を取得する方針を表明し、2012年4月をめどに全路線を高速路線バスに移行させる考えを明らかにした。グループ内のウィラーバス西日本を9月1日付で「ウィラー・エクスプレス」に社名変更し、高速バス事業を担当するなどの体制整備を行った。
 ウィラーグループは2006年から高速ツアーバス「ウィラー・エクスプレス」事業を開始し、この5年間で年間200万人を輸送するまでに成長した。
 村瀬社長は「これからの5年間は中長距離輸送の変革の時代になる。ツアーバスは高速バスに移行し、高速バス業界は一時的に競争が激しくなる。LCC(ローコストキャリア)が台頭し、中長距離の都市間輸送は新たなステージを迎える」と見通した。
 そのうえで、「安全と利用者が望むサービスを提供する事業者として、成長する市場をリードし、貢献・寄与していく」と強調し、「日本のサービスモデルを海外へと展開し、インバウンド(外国人客の誘致)の受け入れ体制を構築する」との構想を示した。
 4社5航路の旅客船が発着する大阪南港と大阪(梅田)・京都を結ぶリムジンバスの運行を12月から開始し、年内にも施行される国交省の省令改正を受けて「来年4月を目指して全路線の(新高速バス許可の)申請を行う」と言明した。
 新高速バス事業への移行に向けて、ウィラーバス西日本を「ウィラー・エクスプレス」、ウィラーバス東海(貸切事業者)を「ウィラー・エクスプレス東海」、ウィラーバス東日本(同)を「ウィラー・エクスプレス東日本」に商号変更し、ウィラー・エクスプレスが高速バス事業を統括する。
計画ではグループの保有バス車両は11年の110台から16年には210台に増やす。バスターミナルは東京・新宿と大阪・梅田に加え、12年には名古屋と京都に開設し、順次主要都市に設置する。輸送人員は11年の200万人から16年には400万人に、1日当たり運行便数も250便から500便へと倍増を掲げている。

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