国土交通省は18日、同日開催された第3回軽井沢スキーバス事故対策検討委員会(委員長=山内弘隆一橋大学大学院商学研究科教授)に、旅行業者を含めた安全確保対策の強化に向けての方向性を提案し、おおむね了承された。
スキーバス事故を踏まえ、今回課題として挙げたのが「利用者・旅行業者への貸切バス安全情報の提供」と「貨切バスの運賃・料金制度」。
「利用者・旅行業者への貸切バス安全情報の提供」では、利用者にとって貸切バス事業者の安全性に基づき旅行商品を選択するための情報が不足していることや、旅行業者にとって安全性にかかわる情報に基づき貸切バス事業者を選択できる仕組みが十分に整っていないなどとして、安全情報提供の仕組みなどを見直す方向性を打ち出した。
それによると、貨切バス事業者の安全情報を拡充し、同省が事業者からの報告を整理して公表する。またインターネット比較サイトや旅行業者などを通じて安全情報を提供するなどとした。
また「貨切バスの運賃・料金制度」では、貸切バス事業者および旅行業者の間で書面取引が実行されていても、旅行業者は貸切バスの運賃・料金が届出運賃の範囲内であるか分かりにくいなどの課題があった。
これに対し、旅行業者および貸切バス事業者が、運賃・料金の下限割れを確認しやすいような仕組みの導入や、運賃・料金の下限割れについての通報窓口を国土交通省自動車局に設置する。さらに旅行業者と貸切バス事業者の取引関係を適正化するため、手数料について専門家からなる独立性の高い組織を両業界が共同で設置する方向性を示した。
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