「改正道路運送法」成立 来年4月から 貸切バス許可更新制 5年かけ順番に適用

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参院国土交通委員会は1日、道路運送法一部改正案の質疑を行い、3項目の付帯決議とともに全会一致で可決し、2日の本会議で可決成立した。改正事項のうち、貸切バス事業への5年ごとの許可更新制は来年4月から導入し、更新制以外の▽事業再参入と運行管理者の欠格期間を5年に延長(現行2年)▽一般貸切旅客自動車運送適正化機関(民間指定機関)への負担金徴収制度の創設などは公布の日から1カ月以内に施行する。

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委員会質疑で、藤井直樹自動車局長は許可更新制について、「安全投資計画とその裏付けとなる収支見積書を提出してもらい、継続的に事業が遂行できるかを審査する。安全に事業を遂行する体力があることを示さないと許可は失効し、不適格事業者を市場から排除する」と説明した。
更新制の詳細はこれから決めるとしながらも、藤井局長は「最初の更新は業務量の平準化の観点から公正さに配慮して順番を決め、5年間に更新の順番が来るようにする」と述べ、来年2月をめどに省令を改正する意向を明らかにした。
石井啓一国交相は「約4500社に一斉に導入するのは体制上厳しい。5年間にわたってやっていく」と答弁した。
藤井局長は「運行管理者の配置、車両の整備や更新などを審査する。更新の判断は事業者にとって死活問題であり、客観的で明確な基準をつくる」と答え、「優良事業者は監査や巡回指導の間隔を長くし、更新制の申請書類を簡素化する」と明言した。
民間指定機関は「貸切バス事業者を巡回指導し、法令順守をチェックする。違反があれば国に通報し、監査の補完機能を発揮してもらう」と位置づけ、「負担金を納付しない事業者には納付命令を発出し、従わない場合は行政処分を行う」との方針を明確にした。
関越道・高速ツアーバス事故後の安全・安心回復プランに不備があったのではないかとの問いに、石井国交相は「過労運転防止のためワンマン運転の距離制限、交代運転者の配置、安全コストを反映させた新運賃・料金制度の導入などの対策を実施してきたにもかかわらず、誠に遺憾。再発防止を突き付けられた」と受け止めた。
法改正を含めて、「許可更新制、法令違反の早期是正、不適格事業者排除の抜本的な安全対策を講じる」と表明し、「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会でフォローアップを的確に行う」と約束した。
規制緩和と事故との因果関係の質問に、石井国交相は「規制緩和によってサービスや運賃の多様化や利便性向上などの成果があった。安全規制は緩和していない」とし、「今後も許可制を維持し、創意工夫による利便性を阻害せずに安全・安心な貸切バスの実現を図っていく」との見解を示した。

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