国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2017年8月28日、10分間の急速充電で30㎞の運行実現を目指す大型EVバスシステムの実証事業をマレーシアのプトラジャヤ市で開始したと発表した。
同事業は長寿命で超急速充電が可能な2次電池を搭載した大型EVバスを使用し、同市の都市交通システムの効率向上によるスマート化を図り、都市交通パッケージ事業の広域展開を図るのが目的。超急速充電システムはバスターミナルに設置し、長さ約12mの大型バスを主要な営業路線で運行してモニタリングを実施する。
プトラジャヤ市はマレーシアの行政首都で政府機関が集中しており、都市計画としてグリーンシティを掲げるなどマレーシア及び東南アジア諸国連合(ASEAN)地域に向けたEVバスのショーケースとして最適な都市という。
NEDOでは2015年に同市と基本協定を締結し、超急速充電システムや蓄電池の長寿命性能の構築などの準備を進め、今回、運行実証に踏み切った。
実証事業にはNEDOのほか東芝インフラシステムズ、ピーズ、ハセテック、オリエンタルコンサルタンツグローバルの各社が参加する。事業期間は20年2月まで。予算総額は約36億円を予定している。
実証開始に当たり28日は現地で関係者多数が出席して運転開始式が行われた。
今後は2階建て大型EVバスの実証も予定しているNEDOでは「本事業をショーケース化することで、マレーシアがASEAN地域のEVハブとなることに貢献し、都市交通パッケージ事業の広域展開を目指したい」としている。
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