BRTシンポジウム約130人が聴講
近畿運輸局は、大阪陸運協会、近畿バス団体協議会の後援を受けて連節バスを活用した街づくりをテーマに「BRT(バス・ラピッド・トランジット)の導入に関するシンポジウム」を大阪府立労働センターで開催。管内のバス事業者をはじめ自治体、一般を含め約130人が聴講した。
バスサービスの活性化策としてBRTが注目される中で交通渋滞や環境対策への対応からも期待される「連節バス」について導入の可能性や実効性を考えるのが目的。近運局の澤井俊自動車交通部長も「いろいろな自治体から興味があるとの声が聞こえてくる。BTRをもっと身近に感じてもらえれば」と開催の趣旨を説明した。
シンポジウムは2部構成で、1部では「BTR導入の意義と課題」と題して立命館大学の塚口博司教授が、現状バスが抱える課題や交通にかかわる街づくりなど海外の事例を交えて基調講演した。
2部では「連節バスを活用したまちづくり」をテーマに、塚口教授がコーディネーターとなって澤井部長のほか連節バスを導入している岐阜市の青木保親交通総合政策課長、神奈川中央交通の三木健明運輸計画部長に加え、車両販売の三菱ふそうトラック・バス、竹島茂和技監の4人がパネルディスカッションした。
この中で青木、三木氏は、連節バスを導入しての成果や導入までの経緯などを披歴。青木氏は導入の財源確保や議会対策、車両整備工場の整備での苦労を語り、三木氏は警察を含む許認可のハードルが高いことを示した。
ただそれぞれ主要駅前の再開発など街づくりと合わせて利用者利便の向上を図るもので、市民の理解を得て現状では連節バスが街に溶け込んでいると語った。岐阜市では岐阜バスが2両を運行しており、神奈中では12両を保有し、今後東京・町田で4両運行する計画を進めていることを明かした。
竹島氏は、連節バスが独ベンツからの輸入のため、導入時期を考慮して「相談は早めに」と求めた。塚口教授はまとめとして、「街づくりの中で連節バスを考慮し、地元を上げての活用が必要」と結んだ。