貸切バス運賃・料金制度 年度末とりまとめ WGが初会合

事業者業界メンバーで意見交換

国土交通省の「貸切バス運賃・料金制度ワーキンググループ(WG)」(座長=加藤博和名古屋大准教授)の初会合が7月25日開かれた。貸切バス事業者や旅行業界の実務者中心のメンバー構成とし、計6回程度開催して年度末にとりまとめを行う。

貸し切りバス運賃制度

国交省の「バス事業のあり方検討会」では貸切バスの運賃・料金については意見が分かれ、WGで引き続き検討することにしていた。
冒頭、鈴木昭久旅客課長は「2年前からバス事業のあり方検討会で議論してきたが、結論が得られず、実態を踏まえて実務者で議論することにした」と説明した。
高速ツアーバス事故を受けて、「安全を確保できる運賃収受が必要との指摘もある」と述べ、「難しい問題だが、実効性のある制度を検討してほしい」と要請した。
加藤座長は「バス事業のあり方検討会の一番の問題は高速ツアーバスだった。新しい制度を入れてスタートさせる矢先に事故が起き、運賃の議論も遅れてしまった」と振り返った。
2000年2月の規制緩和で参入規制が免許制から許可制に、運賃の認可制が公示運賃・届出運賃に移行した経過をたどり、「自由化すれば安全確保が最大の課題になるが、高速ツアーバスも乗合バスも貸切バスも問題が出てきた。安全を確保するには運賃も見ていく必要がある」との認識を示した。

WGでは「運賃がどうあるべきかを議論し、年度末には方向性を見出し、来年度から制度化してもらう」と述べ、「実際のところは実務担当者でないと分からない。私自身も運行管理者資格者証を持っている。やる気が出る制度にし、適正な運賃が収受できる仕組みをつくっていきたい」と意気込みをのぞかせた。

事務局から総務省の勧告や「バス事業のあり方検討会」報告書などを説明し、報告書で制度設計の視点として例示された①法令順守や事故防止、サービス改善②国民目線・消費者目線の観点③関係者の取引実務の円滑化④貸切バス事業者の創意工夫や需要喚起⑤事後チェックが技術的に容易な制度などを巡って意見交換した。

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