東名高速・首都高速から電車に乗り継ぐ高速バス&レールライドが10月13日から本格運行に移行した。「用賀パーキングエリアを活用した高速バス&レールライド検討委員会」(事務局=関東運輸局、首都高速道路会社)が昨年5月から実証実験を行ってきたもので、新たな交通ルートが提供されることになる。
静岡方面から東京方面に向かう高速バスは首都高速3号渋谷線・用賀PA(東京都世田谷区)付近から渋滞に巻き込まれる頻度が高く、定時性の確保が困難だった。
渋滞を避けて定時制を向上させるため、関東運輸局、首都高速会社が中心となって、関東地方整備局、東京都、世田谷区、神奈川県、東京急行電鉄、東京バス協会、京王電鉄バス、小田急箱根高速バス、富士急行、ジェイアールバス関東で構成する検討委員会を設置し、実証実験と検討を進めてきた。
実証実験は用賀PAで高速バスを降り、東急田園都市線・用賀駅で鉄道に乗り換えて渋谷駅まで行くルートを設定した。バス車内で乗り継ぎ引換券を発売し、用賀駅の改札窓口で乗車券に引き換え、運賃は100円(通常190円)とほぼ半額に抑えた。
昨年5月21日から実証実験を開始し、利用者は8月の2427人をピークに、11月は1921人、12月は1938人など、東日本大震災で乗り継ぎを中断するまでの実験期間中に約1万6千人の利用があった。
昨年9月に行った利用者アンケートでは乗り継ぎを希望する理由は「渋滞を避けたい」が70.3%」と最多で、「早く着くから」16.2%、「目的地に行きやすい」8.1%と続いた。
乗り継ぎ施策により高速バスの利用機会が「高まる」41.4%、「たぶん高まる」37.4%と合わせ約8割の人が好意的に受け止めていた。
本格運行する路線の出発地は、東京駅へのルートは▽御殿場プレミアム・アウトレット▽河口湖▽沼津▽富士・富士宮▽清水▽静岡▽浜松▽名古屋。新宿駅へのルートは▽御殿場プレミアム・アウトレット▽御殿場▽沼津▽修善寺▽静岡▽浜松▽三島。
用賀PAに降車専用のバス停を設置し、実証実験時の乗り継ぎ引換券では引き換えに時間がかかるため、乗り継ぎ乗車券に変更した。渋谷駅までの乗り継ぎ運賃は100円。渋谷駅以降の運賃は降りる駅で清算する。
バス乗務員が首都高の渋滞状況を案内し、希望する人には降車時に乗り継ぎ乗車券を発売する。用賀PAで高速バスを降り、田園都市線用賀駅まで約300m移動し、自動改札機を通過する。