貸切バス緊急街頭監査結果 法令違反車両36% 非会員の指摘率、会員の2倍

国土交通省は2016年4月13日、軽井沢スキーバス事故を受けて実施した貸切バスに対する緊急街頭監査の結果を発表した。

街頭監査は1月21日~3月14日にかけて、全国の貸切バス乗り場など延べ38カ所で抜き打ちで242台を点検し、86台(35.5%)に法令違反を確認した。違反指摘率は日本バス協会の非会員車両のほうが会員車両よりも約2倍多かった。同省はゴールデンウイークなどの多客期に引き続き街頭監査を実施する。
1月15日に発生した軽井沢スキーバス事故は15人が死亡する大惨事となり、全国の運輸局で同21日から街頭監査を開始し、▽運転者の健康状態▽交代運転者の配置▽運行指示書の作成・携行▽車内・車体表示などをチェックした。
1月29日までに実施した96台のうち、違反指摘車両は45台(46.9%)と半数近くに法令違反が見つかった。このため、国交省は2月3日に自動車局長名で通達「貸切バスの安全確保の再徹底について」を発出し、「再発防止の取り組みが行われている最中にもかかわらず、社会の信頼を揺るがす事態」と警鐘を鳴らすとともに、出庫時に確認するチェックリストを送付した。
通達発出前後で分けると、1月21日~2月3日は監査車両130台のうち、法令違反指摘車両は60台で、指摘率は46.2%だった。最も多かったのは1月28日に博多港中央ふ頭で行った監査で、37台中23台に法令違反があり、指摘率は62.1%に達した。最近、外国クルーズ船の寄港が増え、多数の貸切バスがチャーターされているが、バス協会の非会員が多いとされている。
通達後の2月4日~3月14日は監査車両112台、指摘車両26台、指摘率23.2%と半減した。ただ、社会に衝撃を与えた大惨事が起き、貸切バスの安全性へ不安が高まっているにもかかわらず、2割以上の車両に法令違反が確認され、緊張感が希薄との批判は免れられない。
また、バス協会の会員・非会員別車両では、1月21日~2月3日は会員34%、非会員84%、2月4日~3月14日はそれぞれ20%、46%と倍以上の開きがあった。
「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」でもバス協会への加入促進が論点のひとつに挙げられており、重要なデータになりそうだ。
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