近畿のバス協会で組織する近畿バス団体協議会(塩川耕士会長=大阪バス協会会長)は2015年11月24日、大阪市の中央電気倶楽部で第34回近畿バス事業者大会を開催した。昨年は滋賀県で全国バス事業者大会が開催され、近畿の大会を開かなかったため、2年ぶりの開催となった。
安全・安定・適正運賃を訴え
大会は長尾真兵庫県バス協会会長が議長に就き、塩川会長が挨拶した。塩川会長は経済情勢に触れながら乗合バス、貸切バスが抱える課題などに言及。乗合バスは交通政策基本法の施行で「バスも利用者、国、自治体に積極的なアピールを」と呼び掛け、貸切バスは新運賃制度について「安全で安定した輸送に不可欠。適正運賃の順守を」と訴えた。
近畿運輸局自動車交通部長が講演
講演では近畿運輸局の金指和彦自動車交通部長が「今後のバスを考える」をテーマに、近畿のバスの現状から地域交通としてのバスの役割を訴え、「実情に応じた輸送手段を選択して必要なサービスを検討すること」を求めた。またインバウンド対応では、「地方バスにとってもビジネスチャンス」と位置づけ、バス事業者単独では取り組みが困難な場合に「地域の観光資源や宿泊、食事などの広域なネットワークで関係者を巻き込む」ことを主張した。
バスガイドによる名所案内ほか
大会では今回初の取り組みとして、各府県の貸切バスガイド、ガイド指導員による「会社自慢、お国自慢大会」を企画。8社11人が登壇し、日頃のガイド同様に出席者に地元の名所などを案内して盛り上げた。
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来賓祝辞では、日本バス協会の上杉雅彦会長が乗合バスの収支状況を説明しながら「交通政策基本法に基づいて全国の自治体で計画が策定されだした。自治体に積極的に足を運んで成功事例を作ってほしい」と活性化を期待した。貸切バスについても新運賃制度で収支改善を説明しながら「頑張ってほしい」と呼び掛けた。
また上杉会長は、国家戦略特区でのライドシェアに触れ「看過できない」と強い口調で反対の意思を表明した。