近畿運輸局と近畿陸運協会、近畿バス団体協議会は共催で「路線バスの可能性を考えるシンポジウムin京都」を京都市の龍谷大学響都ホールで開催。今回はバス利用を促進するため「利用のボトルネックの発見と解決」をテーマとし、出席者約200人が路線バスの課題などを共有した。
わかりやすいバスをめざして
冒頭、近運局の金指和彦自動車交通部長が挨拶し、「2年前のシンポでバスは不便ではなく不安だから乗らないという主張が印象に残り、今回のテーマとした。利用者から選ばれるにはきめ細かな情報提供とサービスが必要」と述べて、各社の取り組みの充実を求めた。
シンポでは交通ジャーナリストの鈴木文彦氏による講演、しずてつジャストラインの澤瀧晴彦地域交通課長から事例紹介の後、「利用のボトルネックの発見と解決」をテーマに平安女学院大学の井上学准教授がコーディネーターとなってパネルディスカッションした。
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鈴木氏は自身が全国を回って集めた路線バスの現状を説明し、「外来客にとって使いやすい設定ではない」「(乗り継ぎなど)つながらない路線バス」「(行き先など)わからない路線バス」として課題を披歴。その上で時刻表や路線図、表記を分かりやすくすることを訴えた。
澤瀧課長は新静岡バスターミナルのリニューアルで分かりやすい表記などの取り組みや添乗員サポートによる高齢者らへの「アイバス」の実施、バス沿線ウオーキングなどイベントの開催でバスに親しみを持ってもらう取り組み事例を紹介した。
井上准教授はこれからの公共交通を考えるキーワードとして「都心・中心都市への居住で自動車を持たないライフスタイルの拡大、国内外からの観光需要」をあげてそれぞれの意見を引き出した。
- 国土交通省近畿運輸局
- 近畿陸運協会
- 近畿バス団体協議会