ダイムラーの新型連節バス 三菱ふそう 「シターロG」右ハンドル仕様車販売

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三菱ふそうトラック・バス(マーク・リストセーヤCEO)は13日、栃木県の同社喜連川研究所でダイムラーバスの新型連節バス、メルセデス・ベンツ「シターロG」右ハンドル仕様を披露するとともに、三菱ふそうが全面的に販売・サポートを担当することを発表した。

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また同日、事業者向けの説明会も開催し、日本国内で複数の自治体が導入を検討しているBRT(Bus Rapid Transit/バス高速輸送システム)での導入を視野に、新型車の優位性とサポート体制の強化を訴えた。
日本初公開となった「シターロG」は、連節ターンテーブルで前後の車両をつなげた連節バスで、全長1万8175㎜、全幅2550㎜、全高3120㎜。1台で大型路線バス2台分(最大160人)の人員輸送を可能にする。世界的にBRT専用車両として活用されるケースが多い。日本ではまだ馴染みが薄いが、すでに31台の「シターロG」が2008年から営業運転を行っており、連節バスのリーディングブランドとして認知されている。

今回発表された新型車は、欧州排出ガス規制「ユーロ6」に適合。ユーロ5適合車に比べ、ディーゼル粒子を66%、窒素酸化物を80%、CO2と燃料消費を15%削減し、ダイムラーバスのグスタフ・トゥッシェン開発本部長は「排ガスがほぼない状態」と環境性能への自信を強調した。
また、新開発の連節角度制御システムの採用により、連節バス特有の車両挙動を安定させたことも特徴のひとつ。最小回転半径は9.6mと連節バスでは最小を誇り、左右で異なるブレーキ制御を行うことで、旋回時にも高い安定性を実現している。加えて、整備間隔がエンジン6万㎞、微粒子除去フィルター12万㎞、ギアボックス18万㎞、後ろ車軸18万㎞という長寿命により、整備費用を18%、整備契約費用を5%削減でき、残価保証額が2%増加するというデータを提示。事業者の総所有コストの提言に貢献できると訴えた。

そして、先代モデルは事業者とダイムラーバスが直接契約を行い、実質的に個人輸入扱いだったが、新型車から三菱ふそうが前面に立ち販売・サポートに努める体制に変更する。ベルント・マック・マーケット・マネージメント欧州部長は「三菱ふそうと連携してカスタマーサービスを改善したい」と述べ、〝信じられないくらい簡単に運転できる〟ことを経験してもらう機会を提供するとともに、東京で運用面の研修を実施、さらにオペレーター向けにもサポートシステムを導入していく考えを明らかにした。
三菱ふそうでも「連節バスは限られたマーケットながら、1台当たり160人が乗車でき、ドライバー不足、大量輸送ニーズなどのバス事業者が直面している課題に対応できる。特にBRTではダイムラーに専門コンサルタントチームがあり、商品だけでなく、構想づくりの面でもサポートできる」(三菱ふそうバス製造・菅野秀一社長)と述べ、2020年に向けた普及活動に意欲を示した。

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