スキーバス事故対策検討委

行政・団体

国土交通省は2016年2月9日、第2回「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」(委員長=山内弘隆一橋大大学院教授)を開催した。事務局から貸切バス事業者に対する監査制度と行政処分の見直しの方向性について提案し、おおむね了承された。

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30日以内に改善報告書

軽井沢スキーバス事故を起こしたイーエスピー(東京都羽村市)は一般監査で1月13日に処分の通知と改善の指示が出され、3月以降にフォローアップ監査が予定されていたが、通知の2日後に事故が発生した。
結果的に改善指示が実施されず、法令違反の状態で安全が確保されないまま運行が継続されていたことになったため、監査で判明した法令違反の状態を是正・改善させる仕組みを導入する。
特に輸送の安全に直結する事項については、30日以内に改善報告を提出させるなどして継続的に改善状況をチェックし、法令違反の状態を放置しないようにする。
監査に入っても、事業者が運行関係の書類をどこに保存しているかが分からず、必要以上に時間がかかる場合があることから、事業者に就業規則、社会保険関係、乗務員台帳などの「監査必要書類リスト」の作成を義務化し、営業所ごとにつねに一定の場所に保管するようにする。これにより、監査から処分までの時間を短縮する。
さらに、監査の実効性の向上を狙いに、民間団体などを活用して、トラックの適正化事業実施機関のような監査事務を補完する仕組みを取り入れる。
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行政処分制度に関しては累計違反点数(81点以上で許可を取り消し、51点以上で事業停止)とは別に、複数回にわたって法令違反の状態を是正・改善しない事業者や、死亡事故など社会的に重大な影響のある事案を引き起こした事業者は、事業停止または許可取り消しの対象とする。これらを含めて処分量定を見直すとともに、使用停止対象車両数(日車数)を増やす。
次回は18日に開き、旅行業者の安全確保対策を取り上げる。
再発防止を申し入れ 民主党細野政調会長ら
細野豪志軽井沢バス転落事故対策プロジェクトチーム座長(民主党政調会長)、荒井聡民主党ネクスト国土交通相、水戸将史維新の党国土交通担当主査らは9日、国土交通省を訪ね、石井啓一国交相に要請書を手渡し、再発防止策を申し入れた。
要請内容は以下の通り。

  1. 貸切バス事業に新規参入する際には、安全確保に関するチェック機能を強化すること
  2. すでに事業に参入している事業者等については、監査の実効性を向上させ、安全確保に関するチェック機能を強化すること
  3. 運転者の運転技術、労務管理等のチェック機能を強化し、安全確保を図ること
  4. 運賃制度の順守をはじめ、旅行業者を含めて、安全確保のための対策を強化すること
  5. 衝突被害軽減ブレーキ、ドライブレコーダー等の設置を義務化し、ハード面での安全対策を強化すること
  6. 事業者の法令順守を指導するとともに、違反業者に対する罰則をこれまで以上に強化すること

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