高速ツアーバス 配置基準改正へ
国土交通省の「高速ツアーバス等の過労運転防止検討会」(座長=酒井一博労働科学研究所長)の第3回会合が6月27日開かれ、旅行シーズンを迎える今夏からの暫定措置として、夜間に運行する高速ツアーバスの交替運転者の配置基準を運行距離400㎞超、乗務時間10時間超とすることを了承した。今月11日までパブリックコメントを行い、20日付で関係法令・通達を改正し施行する。
高速ツアーバスの夜間運行は運行開始時刻(乗車時刻)または終了時刻(下車時刻)が午前2時~4時に入るか、運行時間が同時間帯をまたぐ運行と規定した。
交替運転者の配置基準は、1運行当たりの実車距離をベースに400㎞超と設定。自主的な「特別な安全措置」を講じ、その内容を公表している場合は500㎞まで1人乗務を認める。
「特別な安全措置」の必須項目としては、
- 立ち会い点呼またはIT点呼の実施
- デジタル式運行記録計(デジタコ)の装着▽連続運転時間をおおむね2時間とし、2時間ごとに20分以上の休憩
- 運行直前の休息時間が11時間以上の4項目を挙げている。
同措置の選択項目は
- 日本バス協会の「貸切バス事業者安全性評価認定」の取得
- ドライブ・レコーダーを用いて運転者指導を行っていること
- 運行管理者が24時間、営業所に常駐していること
など8項目を列挙し、このうち1項目以上を実施することを求める。
運転距離に加え、車庫までの回送距離が長い場合を考慮して、乗務時間が10時間を超える場合も交替運転者の配置を義務付ける。
高速ツアーバスの交替運転者の配置基準は暫定措置として今夏から適用するが、中田徹自動車局長は「あらかじめ適用期限を切っているわけではなく、短い時間で対策を講じるため暫定措置としている。実証して評価し、秋以降も続けたい」との見解を示した。
新高速バス事業との関係では「7月中に制度設計し、制度ができてから1年以内、来年夏を目標に移行してもらう。暫定措置は1年間継続することになる」と説明した。