シリーズ 全国 保存モノコックバスめぐり(5)
全国に存在する『保存バス』を巡る不定期連載コーナーです。
過去に掲載した同シリーズ(1)(2)(3)(←その記事は各数字をクリック)では公園に展示されている静態保存バスを、(4)(←その記事はここをクリック)ではバス会社が動態保存している現役貸切りバスを紹介してきましたが、今回はなんと現役の路線バスが登場です。
ということで、前回までの「普通に見ることができるバス」や「バスツアーで乗れるバス」からさらに前進して『普通に乗れるバス』を紹介します。
北海道上川支庁の士別市にあるバス会社「士別軌道」が保有しているのが『日野K-RC301-P 1982年式』。
このバスは元々、隣町の和寒町所有の自家用バスだったが、1998年に士別軌道にやってきて、ワンマン機器などを搭載して路線バス仕様になり車番『82009』となった。
このバスを運行しているバス会社の『士別軌道』という社名の「軌道」という字にも興味を抱いた方がいるかと思う。
士別軌道は1919年(大正8年)設立の軽便鉄道会社だが、1959年(昭和34年)に軌道線全線を廃止して、バス・トラック会社になり、1988年には貨物運送事業を廃止して、現在の会社形態になっている。バス会社になっても創業時の社名を使用しているところにはコダワリを感じる。
では、このバスの外観を眺めていこう。
日野RC301は、1968年に登場したRC系の中で、RC300がエンジン出力をアップして1977年に登場したマイナーチェンジモデル。日野のモノコック車体の大型バスとしては最後の車種のひとつで、1982年に登場したスケルトン車体のHU/HT系と並行して製造されていたが、1984年に製造を終了した。
この保存車両の型式名“K-RC301-P”の頭に付いている「K-」は、1979年の排ガス規制適合車になった1980年に加えられた文字で、「-P」はエアサス車を指している。
では、車内や細部を見ていくことにしよう。
モノコックバス日野K-RC301-Pが走るのは、JR宗谷本線 瑞穂駅の西北西1.5kmくらいの場所にあるバス停30線西3号7時50分発-士別駅前8時15分着の朝の片道1本のみで、士別翔雲高校の登校日にだけ運行される。この路線バスに乗るためには士別駅前7時20分発の風連駅前行に乗ると、30線西3号に7時43分に着くので、ここで下車すると、このバスを追い掛けるように走ってくるK-RC301-Pに乗ることができる。
ちなみに上記の時刻は2016年9月現在のものなので、訪れる場合には下記アドレスをチェックしていただきたい。
http://www.s-kido.jp/rosen-basu.htm
なお、車庫内は外からも眺めることができるが、写真を撮るにあたっては、士別軌道さんの許可を得て撮影している。
では、K-RC301-Pの前後左右の写真もお見せして、記事を締め括ることにしよう。
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